365日あなたに寄り添うストーリーを探しに〜《世界のおとぎ話、神話、民話編-第1章-》

365日あなたに寄り添うストーリーを探しに〜《世界のおとぎ話、神話、民話編-第1章-》

子どもの頃、神話や民話・おとぎ話に、わくわくと読み入った経験はないでしょうか。「子どもの時に読んだけれど、大人になってからは馴染みがない」という人も多いかもしれません。しかし、神話やおとぎ話や民話の寓意の中には、私たち現代人が今まさに直面しているようなテーマ性が脈々と息づいていることがあり、心が晴れ模様の時も荒れ模様の時も、その時々で移り変わるいろいろな気分に寄り添ってくれます。今回は、大人になってからこそ読み込んでみたい、3つのストーリーをご紹介します。 2018年02月11日作成

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現代に息づく「おとぎ話・神話・民話」

365日あなたに寄り添うストーリーを探しに〜《世界のおとぎ話、神話、民話編-第1章-》

「おとぎ話」や「神話」や「民話」といえば、子どもの頃に絵本などで親しんだ覚えがある人も多いのではないでしょうか。

でも、大人になると、ファンタジックな物語とは馴染みが薄くなってしまうものですよね。
365日あなたに寄り添うストーリーを探しに〜《世界のおとぎ話、神話、民話編-第1章-》

でも実は、こういった古い伝承の中に、私たち現代人にとっても「我がことのよう」に感じられる、「深い意味」が息づいている事があるのです。
365日、お天気のように移り変わる気持ちに合わせ、昔ながらの物語をそばに、ほっとひと息ついてみませんか?

今回は、3つの物語をご紹介します。

1.心が冷え切ってしまった時に。『雪の女王』

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出典: (@CHRISTO DRUMMKOPF)

アンデルセンの童話『雪の女王』は、カイとゲルダという仲良しの少年と少女のお話です。

悪魔が作った鏡の欠片が目と心臓に刺さってしまい、性格がガラリと一変。心が冷たくなり「雪の女王」に連れ去られてしまったカイ。大人たちは口をそろえて「カイは死んだ」と言いますが、ゲルダはカイの行方を追って、ひとり旅に出、そこで様々な人に会います。
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魔法でカイを忘れさせようとする「花園のおばあさん」、金の馬車を授けた「王子と王女」、トナカイをくれた「おいはぎの小娘」、知恵を与えた「フィンランドの女」……周囲の登場人物は、「成長」に伴って移り変わる「ゲルダの心模様」を表しているようにも思えます。
Photo by Florian GIORGIO on Unsplash

出典:

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「花園のおばあさん」
おばあさんは花園に魔法をかけ、ゲルダとカイの思い出の花である「ばら」を地中に隠してしまいます。それは、ばらの花を見てゲルダがカイを思い出さないようにするためでした。

おばあさんは、ゲルダをかわいく思っていたため、花園から去ってほしくなかったのです。
Photo by Annie Spratt on Unsplash

出典:

Photo by Annie Spratt on Unsplash

悩みをつきつめればつきつめるほど、つらい思いをします。自身の悩みをまず「忘れてしまおう」とするのは、自然な心の流れかもしれません。

娯楽やお酒で悩みを紛らわせたり、思い出の物を片づけて気を紛らわせたり。
それで解決する場合はよいのですが...ゲルダは魔法をもってしても、大切な人を忘れることなどできませんでした。
Photo by Pro Church Media on Unsplash

出典:

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「王子と王女」
ゲルダはカイに似た男の子が王女と結婚すると聞き、王宮に忍び込みます。しかし、そこにいたのはカイとは別人でした。

王子と王女はゲルダのために、お菓子を積んだ「紋章入りの金の馬車」をくれました。しかし純金の馬車は盗賊の目を引き、かえってゲルダの災いの種になってしまいます。
Photo by Brooke Lark on Unsplash

出典:

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金の立派な馬車に乗っていれば、ゲルダも大切にされるだろう、と王子達は思ったのかもしれません。

王子と王女の善意は、つい「物質的豊かさ、見た目の立派さ・形」に頼ってしまう私たちの心と似ています。馬車の中に積まれた「お菓子」からも、細かな配慮や現実味が欠けている様子が伝わってきます。
「おいはぎの小娘」
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出典:

おいはぎに遭ったゲルダは、殺されるところをおいはぎの小娘に救われます。

彼女はゲルダの綺麗な着物やマッフを奪うなど、モラルがあやしい所がありますが、ゲルダに道を知っているトナカイを与え、泣けば叱咤し、こっそりと逃がしてくれます。
Photo by Celia Michon on Unsplash

出典:

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小娘は「着物やマッフ」などのゲルダの「虚飾」をはぎとります。

不要な飾りを捨て、次第に気持ちに正直になっていく心の変化のありさまが「小娘」とのやりとりを通じて描かれます。しかし、虚飾をぬぎ捨てただけなので、まだ粗野で、モラル面もあやふやです。
「フィンランドの女」
Photo by Marta Boixo on Unsplash

出典:

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「フィンランドの女」は、「いっぽんのより糸で、世界中の風をつなぐことができる」賢い女だといわれています。そんな噂を聞きつけたトナカイはゲルダが雪の女王に勝てるような飲み物を作ってくれるよう頼みますが、彼女は断ります。
「あのむすめは、わたしたちから、力をえようとしてもだめなのだよ。それはあのむすめの心のなかにあるのだよ。」

出典:『雪の女王』ハンス・クリスティアン・アンデルセン

365日あなたに寄り添うストーリーを探しに〜《世界のおとぎ話、神話、民話編-第1章-》

出典: (@frankieleon)

今までになかった叡智の力が、ゲルダを助けてくれます。でも、それは「助けないことによって」なのでした。
ゲルダは寒さに震えながら、1人で城へ入っていきます。

凍てついたカイの心を動かしたのは武器でも強力なまじないでもなく、生身のゲルダの涙でした。
Photo by Aaron Burden on Unsplash

出典:

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旅を終えて大人になった2人は、家に戻り、聖書の1節を聴きながら、子供のような気持ちで座っています。

「なんじら、もし、おさなごのごとくならずば、天国にいることをえじ(天国に入ることはできない)。」
Photo by Bekah Russom on Unsplash

出典:

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この物語は、心変わりをした少年を追いかける少女の成長物語だったのでしょうか?

ユングによる分析心理学では、一般的に男性は女性形の心・アニマを持ち、女性は男性形の心・アニムスを持つとされています。カイが、ゲルダ自身のアニムス(心)の投影と考えれば、1人の少女の自立と自己解放を描いた物語ともいえます。
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出典: (@Jedimentat44)

思春期は、何でも偽善に思えてしまったり、無垢で無力なものを信じきれず見下してしまったり、カイのように「雪の女王」のような超然とした権力や美、冷たい態度に惹かれ、あらがえなくなる事もあるのかもしれません。
Photo by Annie Spratt on Unsplash

出典:

Photo by Annie Spratt on Unsplash

ゲルダの一連の旅は、人間的な己の「心」を取り戻し、大人として成長しながらも、同時に「幼子のような心」でい続けられる境地にたどりつくための旅だったのかもしれませんね。

2.恋に落ちた時に。ギリシア神話「エロスとプシュケーの物語」

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出典:

この世ならざる美しさをもつ王女プシュケーは、美の女神アプロディーテの妬みをかい、下賤な男と結婚する呪いをかけられそうになります。

呪いをかけにきたのはアプロディーテの息子・愛の神エロースでした。
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出典: (@Dennis Jarvis)

射られた者が恋に落ちる黄金の矢をもっていた彼は、矢で自分の手を傷つけてしまい、プシュケーに恋してしまいます。

美の女神アプロディーテの不興を買い、男性たちから避けられるようになってしまったプシュケーの行く末を案じ、両親はアポロンの神託を伺いに行きます。しかし、その神託は「彼女は山の怪物の花嫁となるのだ」というものでした。
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神託は絶対。花嫁衣裳で山頂に置き去りにされたプシュケーは、エロースの宮殿に連れていかれ、エロースの「私はあなたの夫だが、私の姿を見てはいけない」という言いつけ通り、夫の姿を見ないまま、幸せな生活を送ります。
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しかし姉たちはプシュケーの贅沢な生活を妬み、夫の姿を確かめるべきだとそそのかします。

「お前の夫はきっと大蛇の怪物に違いない」と言われて不安になったプシュケーは、夜、蝋燭を片手に夫の姿を覗き見て、あまりの美しさに驚き、その肩に熱い蝋を落としてしまいます。
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「愛と疑いは同居できない!」と叫び、エロースは消え失せます。プシュケーはエロースの母・女神アプロディーテを訪ね、3つの試練を与えられます。

1つ目の試練は、山のような穀物を、種類ごとに選り分けること。その分野に長けた蟻たちに助けてもらい、何とか成し遂げる事ができました。
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2つめの試練は、川のほとりに住む黄金の羊毛をとってくること。

絶対無理かと思われたその試練には、河の神が「午前中の羊は残忍なので近づかないように。真昼に川を渡って、木立についた羊毛を集めるとよい」とアドバイスしてくれたおかげで、無事に羊毛を集める事ができました。
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3つめの試練は、冥界の女神ペルセポネから化粧品の箱を貰ってくること。

冥界に行くため死ぬ覚悟をするプシュケーに、どこからともなく助言の声が響きます。「地獄の犬ケルベロスの脇を通り抜け、冥界の河の渡し守カローンを説きふせるように」と。
こうして、化粧箱も貰う事ができました。
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出典: (@cdcinc)


やっと決死の3つの試練を終えたプシュケーは、夫にお化粧した美しい姿を見せたいと思い、開けてはいけない、と忠告された化粧箱を開けてしまいます。なんと、そこには混迷の霧が入っていたのです。
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眠り込んだプシュケーを助けたのはエロース。ゼウスに訴えて母との仲裁をしてもらい、2人はついに婚礼を挙げたのでした。

「プシュケー」は古代ギリシア語で「いのち・心・魂」を意味する言葉です。

「恋」によって盲目となった「心」が、幾多の「試練」を受け、それらに打ち克って幸せな「愛」を得るというこの流れ、恋をした事がある人は覚えがあるのではないでしょうか。
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出典: (@Boston Public Library)

最初は恋の矢のいたずらで「魔法の恋」に落ちただけだったエロースとプシュケーが、さまざまな「試練」を乗り越えて、本当の「愛」をつかんでゆく様には、勇気がもらえますね。

恋に落ちた時にこの神話を読み返すと、「試練」を乗り越える力がもらえるかもしれません。

3.「自分の人生」を生きる人に。ポリネシア神話「鯨を倒す英雄」

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出典: (@Christopher Michel)

ポリネシアの神話には、英雄が巨大な鯨の腹に入り、脱出を試みるというものがあります。

英雄ンガナオアは、船をのみこもうとしたくじらの口に槍をあてがってあごが閉まらないようにし、口の中にとびこみます。すると腹の中には自分の父母がいて、「魚をとっている時にのまれたのだ」と言います。
Photo by Igor Ovsyannykov on Unsplash

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ンガナオアは槍の1本をとって火を起こし、鯨の心臓を焼きます。鯨は苦しがって近くの浜に上陸。ンガナオア達は口から無事に脱出することができました。

類似の話は聖書にもあり、ヨナという男が神の怒りにふれて大魚の腹の中に3日3晩いたという話になっています。
Photo by freestocks.org on Unsplash

出典:

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鯨にのみこまれる英雄の姿は、母の「胎内」にとどまっているようにも見えます。鯨を倒すことによって、英雄はその胎から、新しい存在として再び生まれるのです。

倒される怪物とは何者だったのでしょうか。「両親の古い価値観」とも考えることはできないでしょうか?
Photo by Cristian Newman on Unsplash

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神話の中で鯨の体内に父母がいたのは象徴的です。「古い固定概念」という怪物にとらわれていたのは、英雄だけでなく、父母も同じなのかもしれません。
Photo by Yeshi Kangrang on Unsplash

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また、巨人のように大きく見えていた父母の姿も、同じ固定概念から解き放たれた途端、「怪物」でも「巨大」でもなく「自分と同じ不完全な人間だった」という事に気づく、ということなのかもしれません。
365日あなたに寄り添うストーリーを探しに〜《世界のおとぎ話、神話、民話編-第1章-》

出典: (@Andr辿s Nieto Porras)

「怪物や竜を倒す」英雄の物語は、既存の凝り固まった考えを捨て、独自の価値観を掴みとる闘いを描いているとも読むことができます。

ニーチェは『ツァラトゥストラはかく語りき』の中で、ライオンが「なんじ~すべし」という名の竜を倒す様を「魂の変容」の1つの姿として書いています。
Photo by Timothy Eberly on Unsplash

出典:

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「こうすべきだ」「ああすべきだ」という「世間や他人の先入観・偏見・固定概念・古い価値観」から自由になり、他の誰のものでもない「自分自身の人生」をつかみとっていく。

そんな闘いを物語の中の英雄たちは生き抜いてきたのだと見てみると、英雄にもどこか親近感が感じられますね。

古くから伝わる物語を紐解き、再発見してみよう

Photo by Scott Webb on Unsplash

出典:

Photo by Scott Webb on Unsplash

それぞれのお話に、ここでは1つずつ解釈を述べましたが、「物語の解釈のしかた」は1つではありません。

さまざまな意味を重ねて読むことができるような、豊かな物語だからこそ、古い昔から語り継がれ、生き残ってきたのだとも言えます。
365日あなたに寄り添うストーリーを探しに〜《世界のおとぎ話、神話、民話編-第1章-》

出典:

おとぎ話や神話・民話など、古くから伝わる物語を紐解いてみれば、そこには今と変わらぬ人の心の有様が見つかります。
Photo by Michał Grosicki on Unsplash

出典:

Photo by Michał Grosicki on Unsplash

それらは「英雄や神々」の物語でありながら、同時に「あなたの物語」でもあるかもしれません。
そんな再発見を、ぜひ楽しんでみてくださいね。
この記事は、こちらの本を参照して書かせていただきました。
画像のご協力ありがとうございました

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