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【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」vol.5-ベラドンナリリー

気温、風、街行く人々の装い…。みなさんは、季節の移り変わりをどんなときに感じますか?「花ごよみ」とは、季節の移ろいを花によって表現した暦のこと。連載第5回目は、一年間に一つの球根からたった一本しか切れない「ベラドンナリリー」という貴重なお花のストーリー。ユリのように美しい花姿はもちろんのこと、優美な香り漂うお花はまるで天然のルームフレグランスのよう。秋の夜長、リラックスタイムに香り高きお花のある暮らしはいかがでしょう。(2017年10月19日作成)

協力:霽れと褻文:Amorpropio編集部

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」vol.5-ベラドンナリリー

街路樹の葉っぱも色づきはじめ、ひと雨ごとに深まる秋。
女心と秋の空――とはよく言ったもので、やれ食欲だ、芸術だ、スポーツだと、まるで移ろう雲のように夏の間に失せていた欲求が一気に溢れ出し何かと慌しい季節です。紅葉や行楽に出かけるのももちろんいいけれど、秋の夜長、天然の香りで癒されるリラックスタイムはいかがでしょう。

今回ご紹介するのは、例えるなら高級石鹸のように気品溢れる香りがする「ベラドンナリリー」というお花。お花を扱うプロでさえも見かける機会の少ない珍しいものだそうで、なんでも一年間で球根から切れる花はたった“一本だけ”という希少なお花なんだそうですよ。

しとやかで上品。イタリア語で「美しい淑女」を意味する花

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」vol.5-ベラドンナリリー

葉のないすっと伸びた茎の上に、品良くユリのような形をしたお花をつけるベラドンナリリー。
「リリー」という名称は、通常ユリに関係している場合に付くのですが、実はベラドンナリリーはユリの仲間ではありません。ヒガンバナ科アマリリス属に分類され、その和名を「ホンアマリリス」といいます。
【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」vol.5-ベラドンナリリー

一般的にアマリリスと聞くと春に咲く花をイメージしますが、分類上はこちらが“本来のアマリリス”。元々、アマリリスの原種は100種類以上ありましたが、1998年に分類法が変更になった際にこのベラドンナリリーともう一種を残して、その他のものは全てヒッペアストルム属に移りました。しかし、現在でも昔の名残でこれらの種が「アマリリス」と呼ばれていることから、昔も今も変わらずにアマリリス属に分類されているベラドンナリリーこそが本来のアマリリスという意味で「ホンアマリリス」と区別して呼ばれるようになったそうです。
左が一般的に呼ばれているアマリリス、右が本来のアマリリス「ベラドンナリリー」です

左が一般的に呼ばれているアマリリス、右が本来のアマリリス「ベラドンナリリー」です

花が咲くまで5年。切れるのは一年間で一本のみという希少性

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」vol.5-ベラドンナリリー

ベラドンナリリーの魅力は、この美しい花姿に加えてその上品な香りもまた多くの人を虜にする魅力のひとつです。例えるならば、それは高価な石鹸を思わせるかのよう。お部屋に飾っておけば、まるでルームフレグランスのようにふわりと漂い、天然の香りで心からリラックスできます。花持ちもいいので、切り花に向いた花だそうですが、まだまだ一般的にあまり馴染みがないのはどうしてでしょう。
【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」vol.5-ベラドンナリリー

ベラドンナリリーの原産国は、南アフリカのケープタウン辺り。日本には明治初期に入ってきました。しかし、世に広く知れ渡ったのはごく最近で約50年前とのこと。前回と今回、ハレとケ定期便でお世話になった三宅花卉園の親戚が営む農園が、当時の園芸ブームにのっかりアメリカから球根を輸入したのがきっかけだったそうです。

ベラドンナリリーは、秋に花を咲かせ、受粉し、イチジクのような大きな丸い実をつけます。実がはじけ、種が土に撒かれてから花が咲くまで待つこと約5年…!!球根はじっくりと時間をかけて成長し、ある程度の大きさになってから初めて花を咲かせます。そこまでに5年、そしてそれから“切り花向きの花”を咲かせるほどに成長するまでにまたさらに2、3年というから驚き。しかも、ひとつの球根から切れる花は一年間でたった一本のみと、リスクも伴うので生産している花農家さんもごく僅か、その希少性にも拍車がかかります。

その名も「フェイバリット」。優しいアイボリー色のお気に入り

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」vol.5-ベラドンナリリー

一般的に知られているベラドンナリリーの花色は鮮やかなピンク色ですが、「フェイバリット」と名のついた三宅花卉園のベラドンナリリーは優しいアイボリー色。花色は芽が出始めてから蕾がつくまでの夏場の気温によって色素が左右され、気温が高いと白色に、気温が低いとピンク色が多く残るそう。今年の千葉県の夏は例年に比べ気温が低かったため、今回ハレとケ定期便で届いた三宅花卉園さんの「ベラドンナリリー・フェイバリット」は弁先に、ほんのりとピンク色が残った花色をしています。
【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」vol.5-ベラドンナリリー

“アマリリスは土を食う”とよく言われるほど、栄養をたくさん吸収して大きく成長します。その球根は、直径20cm以上になるものも。面積に対してつくれる量が他の花に比べて圧倒的に少なく、出荷されるまでに長い年月のかかるベラドンナリリー。そんなに苦労してまで、この美しい花を咲かせるために真摯に栽培と向き合っているのは三宅花卉園の二代目・三宅泰行さん。そこには、その花に対する純粋すぎる思いがありました。

子どもの頃から変わらずに美しいと感じる花

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」vol.5-ベラドンナリリー

三宅さんにとって、ベラドンナリリーは子どもの頃から変わらずにずっと美しいと思えるお花。葉がなく、茎がすっと伸びてその先に大輪の花を咲かせるその花姿は、イタリア語の意味で“美しい淑女”そのもの。その幻想的な美しさに魅了され、生産している花の中でもこのベラドンナリリー・フェイバリットが一番の“お気に入り”だとおっしゃっています。でも、まだまだ日本では評価されていないお花。これからもこの花がもっと広く認知されるようになるためにこの花の育成に何年も何十年も、一生をかけて力を注がれるそう。何年かかったとしても手間暇を惜しまずに、自分の好きな花を、良い花を作ろうとするその姿が眩しいです。

『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「ベラドンナリリー」の愛で方

手に入れることがなかなか難しいお花ではありますが、「ベラドンナリリー」のお家での楽しみ方について、『霽れと褻(はれとけ)』代表・田中さんに教えていただきました。
株式会社BOTANIC代表・田中 彰さん。1983年、高知市出身。神戸大学経済学部卒業後、AGC旭硝子株式会社に勤務。東京・南青山の花屋での修行を経て、BOTANICをスタート。2013年7月、東京・中目黒に花屋「ex. flower shop & laboratory」をオープン。

株式会社BOTANIC代表・田中 彰さん。1983年、高知市出身。神戸大学経済学部卒業後、AGC旭硝子株式会社に勤務。東京・南青山の花屋での修行を経て、BOTANICをスタート。2013年7月、東京・中目黒に花屋「ex. flower shop & laboratory」をオープン。

Q:ベラドンナリリーを美しく飾るコツは?

頭部にボリュームのある花姿を活かすには、背が高めの花瓶を選ぶのが◎。また、花だけでなく茎も美しい花なので、透明の花瓶を選んで茎まで一緒に楽しむのがおすすめです。

頭部にボリュームのある花姿を活かすには、背が高めの花瓶を選ぶのが◎。また、花だけでなく茎も美しい花なので、透明の花瓶を選んで茎まで一緒に楽しむのがおすすめです。

同じ花瓶に数本活ける場合は、少し高低さを付けてあげることで、ボリュームが一箇所に片寄らずにより自然な仕上がりになります。

同じ花瓶に数本活ける場合は、少し高低さを付けてあげることで、ボリュームが一箇所に片寄らずにより自然な仕上がりになります。

Q:長持ちさせるにはどうしたらいいの?

ユリなどで一般的に行なわれる処理ですが、花粉のついている葯(やく)を取り除く作業が必要です。花は切り花の状態になっても、受粉して子孫を残そうとします。その時、種をつくるために蓄えたエネルギーを消耗してしまい、花の老化を進めてしまうので早い段階で受粉を防ぐために、葯をピンセットやティッシュでそっとつまんで取り除きましょう。

ユリなどで一般的に行なわれる処理ですが、花粉のついている葯(やく)を取り除く作業が必要です。花は切り花の状態になっても、受粉して子孫を残そうとします。その時、種をつくるために蓄えたエネルギーを消耗してしまい、花の老化を進めてしまうので早い段階で受粉を防ぐために、葯をピンセットやティッシュでそっとつまんで取り除きましょう。

Q:メンテナンスで気をつけることは?

蕾を咲きやすくするために、毎日しっかりと切り戻すことが大切です。茎が太くてしっかりとしているので、ハサミで斜めに切るのが難しい場合は、フラワーナイフやカッターを使います。くれぐれも、刃物の扱いには注意して行いましょう。

蕾を咲きやすくするために、毎日しっかりと切り戻すことが大切です。茎が太くてしっかりとしているので、ハサミで斜めに切るのが難しい場合は、フラワーナイフやカッターを使います。くれぐれも、刃物の扱いには注意して行いましょう。

開花が進むにつれて茶色く変色した外側の皮はむしり取り、萎れた花がある場合はハサミで切り取ってあげましょう。蕾が咲いたら、また同様に葯を取り除く作業をします。

開花が進むにつれて茶色く変色した外側の皮はむしり取り、萎れた花がある場合はハサミで切り取ってあげましょう。蕾が咲いたら、また同様に葯を取り除く作業をします。

花屋直伝!ベラドンナリリーの楽しみ方

萎れた花を取り除いていくにつれ、ボリュームが減って寂しいなと感じた時は茎を短く切って丈の低い花瓶に移してみましょう。全体のバランスがとれ、最後の一輪まで美しい状態で楽しめますよ。また、香りがとても良い花なのでリラックスタイムを過ごす部屋に飾ると癒されます。

萎れた花を取り除いていくにつれ、ボリュームが減って寂しいなと感じた時は茎を短く切って丈の低い花瓶に移してみましょう。全体のバランスがとれ、最後の一輪まで美しい状態で楽しめますよ。また、香りがとても良い花なのでリラックスタイムを過ごす部屋に飾ると癒されます。

秋の夜長、天然の香りで癒されて……

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」vol.5-ベラドンナリリー

秋は活動的になる反面、夏の疲れが出やすい季節。お気に入りの本とホットドリンクをお供に天然の香りを楽しみながら花のあるリラックスタイムをお過ごしくださいね。

来月のお花は、「オンシジウム・シャーリーベイビー」

【連載】『霽れと褻』代表・田中さんに教わる「花ごよみ」vol.5-ベラドンナリリー

来月は、11月にふさわしいシックな赤茶色のお花「オンシジューム・シャーリーベイビー」をご紹介します。バニラのような甘い香りが特徴的なこの花は、一足早くクリスマスを思わせるようです。

\ 今月の「#霽れと褻」発表! /

こちらのコーナーでは、毎月インスタグラム内のハッシュタグ「#霽れと褻」の中から素敵な一枚をピックアップ!
ハッシュタグを付けて投稿してくださった方の中から、こちらのコーナーに採用された方には、Amorpropioモールでも販売中の『霽れと褻ギフトチケット一ヶ月分』をプレゼントします♪
※対象画像は「ハレとケ定期便」で届いたお花や新聞、「霽れと褻DAY」で購入したお花、当日の店頭ディスプレイ写真となります。

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霽れと褻(ハレとケ)

中目黒と蔵前に店舗を持つex. flower shopが新しく立ち上げたブランド。
毎月、旬のお花が届く「ハレとケ定期便」や大切な方へお花を贈るサービス「ギフトチケット」、SUEKI CERAMICSとのオリジナルの花瓶を販売する。

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